FPは、ライフプランニングとして「家計の悩み」に関することを相談できます。たとえば、これから起こり得るさまざまなライフイベント(結婚・出産・マイホームの購入など…)に対する漠然とした不安を抱えている人に対し、経済的なアドバイスを行います。
ライフプランを作成した結果、経済的な部分で改善すべき点があった場合は、具体的に何を改善するべきなのか、アドバイスを行うのが主な業務です。改善すべき点がない場合は、ライフプランを根拠として問題がないことを示します。
今回は、FPに相談できるライフプランの具体的な内容や、過去にあった相談・解決事例について紹介します。
FPは「家計の悩み」の相談ができる
FPは、「家計のお金の悩み」を相談することができ、解決へ向けた具体的なアドバイスを受けられます。
たとえば、これからの人生、以下のようなライフイベントが発生するかもしれません。
- 出産
- 子の小学校・中学校・高校・大学への進学
- 子の結婚
- 定期的な家族旅行
- マイホームの購入
- 自動車の購入・買い替え
上記はいずれも、ある程度まとまった資金(お金)が必要です。そのため、あらかじめ起こり得るライフイベントの時期を予想して、そのときまでに必要となる資金を無理なく準備できるようにアドバイスを行います。
また、相談者の老後の資金設計もFPのライフプラン相談業務の範囲内です。2019年には、「老後2000万円不足問題」が話題となりました。このことから、「自分が安心して老後の生活を送るためには、どのような資金準備をすれば良いのだろうか?」と思われている人も多いでしょう。
FPは、上記のようなライフ(人生)のプラン(設計)を行える専門家です。家計に関わるさまざまな金融知識を元に、相談者にあった個別具体的なアドバイスを行います。
ライフプラン相談〜解決までの流れ
FPへライフプラン相談から解決までの大まかな流れは以下のとおりです。
- FPを見つけて相談をする
- 相談内容を確認する
- ライフプランの作成
- 作成したライフプランを参考に相談者へ具体的なアドバイス
- 解決後も定期的な見直し・アドバイスを行う
FPを見つけて相談をする
初めにライフプランの相談をするFPを見つけなければいけません。FPは大きく分けると、金融機関などに勤務している「金融系FP」と独立して営業をしている「独立系FP」がいます。
ライフプランは、家計のお金の悩み相談であるため何かに特化した企業系FPよりも、ライフプランを専門に行っている独立系FPに相談をしたほうが良いです。企業系FPは、銀行や保険会社などに勤務していることが多く、自社の金融商品を勧められることが多いためです。
中立的な目線でアドバイスを受けるためにも、独立系FPに相談をしたほうが良いでしょう。
信頼できるFPを見つけるためには、日本FP協会の「CFP®︎認定者検索システム」の利用がおすすめです。また、信頼できるFPの見分け方について紹介している記事も参考にしてください。
関連記事:信頼できるFPと出会うには?良いFP,悪いFPの見分け方
相談内容を確認する
FPに相談する内容を確認しておきます。たとえば、「今のままで大丈夫なのか?」といったざっくりとした相談内容でも問題ありません。
逆に、「子供の教育費を無理なく貯めたい」「さまざまな要望を叶えるためのライフプランを設計してほしい」といった具体的な相談内容でも良いです。
ライフプランの中でも、何について相談をしたいのかについて、簡単なイメージを持っておくと良いでしょう。また、FPに相談をする過程で「〇〇をしたい」といった夢や目標を伝えることで、より希望に合ったライフプランの設計ができるようになります。
なお、相談する際には家計簿や資産簿などを準備しておくと、スムーズかつ正確なライフプランの設計ができます。
ライフプランの作成
相談者からいただいた情報や夢、目標などを参考に向こう数十年のライフプランを設計します。
具体的には、現状のままで夢や目標を叶えられるかどうかといった点をFPの視点で検証し、改善するべき点が見つかった場合は、具体的にどういった対応が必要なのか考えます。
ライフプランを参考に相談者へ具体的なアドバイス
作成したライフプラン表をもとに相談者へ具体的なアドバイスを行います。
たとえば、「教育費の用意が不安」といった相談があった場合、「ライフプランの結果、◯年後に教育資金が不足する可能性が高いため、〇〇の改善が必要です」などのようなアドバイスを行います。
アドバイスの内容は、相談者からの相談内容やライフプランなどによって個別に行われるものであるため、一概には言えません。
ただ、ライフプランを参考にFPから具体的なアドバイスをもらうことによって、「これからどのように改善していけば良いのか」「どう行動すれば良いのか」といったことが明確にわかります。
解決後も定期的な見直し・アドバイスを行う
FPへのライフプラン相談は1度きりではありません。初めての相談後も数年おきに定期的な見直しを行います。
初めてライフプランを作成したときと、数年後では家計環境も大きく変わっている可能性が高いためです。定期的な見直しを行うことで、より確実なライフプランの作成が可能です。
【ライフプラン】FPへの相談・解決事例
FPに相談できるライフプランの内容は、「家計に関わるお金のこと」です。たとえば、以下のような相談に対応できます。
- 貯蓄ができない
- 将来が不安
- 子供の教育費が不安
- マイホームが欲しい
- 結婚をしたい
- 自分に合う保険がわからない
など…
FPは、基本的に家計に関わるお金の相談であれば対応できます。そのため、ざっくりとした不安や疑問を解消したい、といった相談内容でも問題ありません。一方で、具体的な相談内容でも解決へ向けたアドバイスを行います。
実際にFPが受けた相談内容と解決事例を紹介します。
【事例1】老後の生活資金に不安がある。
相談内容:
子どもの独立も見えてきて、今後は自分達の老後資金に対する不安が出てきました。実際、いくらくらいあれば安心して生活できるのでしょうか?
解決方法:
老後期間が25年と仮定した場合、老後資金の不足金額1,500万円程度。相談者の家計状況を見ると、これまでと今後の貯蓄、一般的な退職金を考慮すると無理なく用意できる金額です。
解説
上記例は、老後の生活資金に関する相談でした。上記夫婦の金融資産と退職金で無理なく、老後資金を確保できるため、とくに大きな改善点はないという結論になった事例です。
上記のように、「老後が不安」「老後の生活資金はこのままで足りるのか、用意できるのか」といった相談内容はFPが解決してくれます。家計状況を把握した上で、不足する場合の解決策も合わせてアドバイスを行います。
【事例2】
相談内容:
長男の中学入学を目前に控えています。高校までは公立と考えていますが、本人が希望すれば私立・大学も検討予定。これまで、教育資金を貯めてこれなかったのですが、これからどのように資金準備をしていけば良いでしょうか?
解決方法:
家計収支の見直し・削減で年間30万円の貯蓄アップを目指します。住宅ローン金利の見直しや車を手放すことで年間30万円程度の支出削減が可能です。
参考:教育資金が用意できていない。まだ間に合う?|日本FP協会
解説
上記例は、長男の中学入学を控えて教育資金の準備に関心を持ち始めた事例です。これまで教育資金を貯蓄できる余裕がなかったため、数年後に訪れる高校受験に対する不安を抱えていました。
上記家庭の場合は、家計収支の見直しを行うことで30万円程度の支出を削減できる可能性があったため、そこを改善するべきであるとアドバイスを行いました。
FPにライフプランの相談をする際の注意事項
FPにライフプランの相談をする際は、以下のことに注意してください。
- 相談料金に注意
- 専門分野に注意
FPの相談料は、基本的に無料のところが多いです。しかし、中には「◯時間いくらから〜」といった料金設定の専門家もいます。
無料・有料の大きな違いは、企業系か独立系かです。無料で相談に乗ってくれるFPは、いわゆる企業系であることが多く、自社金融商品の販売で利益を挙げられるため、相談が無料のことが多いです。
一方で、独立系FPはライフプランの相談や作成を主業務として行い、利益をあげているため有料であるケースが多いです。そのため、FPへ相談をする際は、料金設定に注意してください。
また、FPの専門分野に注意してください。FPの専門領域はとても広いため、FPの中でもライフプランが得意な人、不得意な人に分かれます。
ライフプランについて相談をする際は、この領域が得意な人であり実務経験が豊富な人を選ぶほうが良いでしょう。