保険相談は、FPのお仕事の中で最も依頼が多い相談内容の一つです。
具体的には、「いま加入している保険を見直したい」「いま入っている保険が自分や家族に合っているかどうか不安」「保険料を少しでも安くしたい」といった保険相談が多くなっています。
保険商品選びは慣れていないと難しいですが、「自分や家族はどのようなリスクに対応したいのか?」を押さえておくことで、FPとの保険相談をより有意義にすることが可能です。
この記事では、FPの保険相談で多い悩み/相談、FPに保険相談する前に必要な準備や注意点について解説した上で、FPとの保険相談の具体的な相談事例についても紹介しています。
FPの保険相談で多い悩み/相談とは
「いま加入している保険を見直したい」「いま入っている保険が自分や家族に合っているかどうか不安」「保険料を少しでも安くしたい」といった保険相談は、FPのお仕事で最も依頼が多い相談内容の一つです。
保険商品選び自体が難しいことに加えて、「結婚した」「子どもが生まれた」「自動車を購入した」「住宅を購入した」といったライフスタイルの変化に応じて必要な保険が変わることも、保険相談の需要が多い背景となっています。
保険と一口に言っても、命とお金に関わる「生命保険」や「医療保険」「がん保険」から、自動車に必要な「自動車保険」、住宅関連では「火災保険・地震保険」や住宅ローンに付く「団体信用生命保険(団信)」など多岐に渡ります。
どのような保険相談であっても、「いま入っているプランが適切かどうか」「保険料を少しでも安くしたい」という相談が多い点では共通していると言えるでしょう。
FPに保険相談する前にどのような準備が必要?
FPに保険相談する前に、どのような準備をしておく必要があるのかを押さえておきましょう。
自分や家族がどのようなリスクに対応したいのかを理解しておく
保険とは、特定のリスクに対応して保証を受けられる金融商品です。
例えば、生命保険は「自分や家族が万一亡くなった場合に、残された家族への保険」であり、自動車保険は「交通事故を起こしてしまった場合の保険」です。
自分や家族がどのようなリスクに対応したいのかを理解しておくことが、保険選びの第一歩となります。
「自分や家族は、将来において、どのようなリスクを不安に思っているのか?」を押さえておくことで、FPに保険相談することでスムーズな流れでご対応できるようになります。
FPは、お客様のリスクに対応した保険を紹介することができ、その上で家族構成や家計状況から判断して、その保険の中でおすすめの商品選びをご紹介できます。
例えば、「自分が死んだ場合に、家族の生活が心配だから保険に入りたい」という保険相談を受けたら、FPは「そのリスクに対応できるのは生命保険になります」とアドバイスします。
その上で、家族構成や家計状況から「掛け捨て/終身」や具体的な金額プランといった生命保険選びの保険相談をすることが可能です。
自分や家族が現在加入している保険や家計状況について把握しておく
FPに保険相談する前に、自分や家族が現在加入している保険について把握しておくことで、よりスムーズな保険相談を進めることが可能となります。
既に生命保険に複数加入しているにも関わらず、さらに別の生命保険に入るといったことになってしまうのは、家計のリスク管理として歪な構造になってしまいかねません。
また、保険選びにおいては、家計とのバランスを考える必要があります。
日本人は保険好きだと言われますが、必要以上に保険を掛けて家計を圧迫させてしまっては本末転倒です。
場合によっては、保険のグレードを下げて貯蓄に回した方が、家計が楽になるケースも少なくありません。
FPに保険相談するときの注意点
FPに保険相談するときの注意点について押さえておきましょう。
FP資格だけでは保険の販売行為をすることはできない
FPは、保険相談を受けて、その保険商品の説明をすることや、保険の必要保証額について一般的な説明や試算をすることができます。
ただ、「保険募集人」として許可を得ていないFPは、生命保険・損害保険の販売行為をすることはできないことに注意が必要です。
保険の販売行為を行うには、「保険募集人」の資格を取得し、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。
高額保険商品をおすすめしてくる悪質なFPには注意が必要
FP事務所の中には、保険会社と裏で提携していて、特定の保険を強引に進めてくる場合があります。
保険契約が成立すると、FP事務所には手数料の何%かがキックバックされる仕組みとなっています。
ただ、利用者のライフスタイルに適さない高額保険を契約しても、保険会社やFP事務所が儲かるだけで、利用者にはほとんど得がありません。
高過ぎる保険は、大抵の場合は、リスクの取り過ぎとなってしまう場合がほとんどです。
もしも、このようなFPと出会ってしまった場合には、即座に相談を打ち切ってしまって構いません。
FPとの保険相談の相談事例
FPに保険相談した場合の相談事例について見ていきましょう。
相談事例1:「20代独身、医療保険やがん保険に入る必要はあるのでしょうか?」
相談:
「20代独身で、医療保険やがん保険に入るかどうかを迷っています。ただ、医療保険やがん保険に入るより、その保険料分を貯蓄や投資に回した方がいいのでは?とも思います。どうすればよいでしょうか?」
FPの回答:
「医療保険やがん保険は、入院・通院することになった際や、がんと診断された際に保障金が受け取れる保険です。
テレビCMなどでは盛んに宣伝されていますが、入院や通院が必要となった際に、治療費を賄えるだけの資産があれば、加入する合理性はないと言えます。また、日本では「高額療養費制度」があるため、月の医療費が高額になってしまった場合にも、払い戻しが受けられます。
相談者さんの収入の場合、「高額療養費制度」によって月の負担額は最大○○万円となるため、この負担額を半年間~1年間程度賄えるだけの貯金があるなら、医療保険やがん保険に入る必要性は小さいのではないでしょうか」
相談事例2:「子どもが生まれてから入るべき保険とは?」
相談:
「夫36歳、妻34歳の夫婦です。先日、1人目の子どもが誕生しました。教育費など、子どもの将来に備えて、入っておくべき保険にはどのようなものがあるでしょうか?」
FPの回答:
「まず、子どもの将来のリスクとしては、保護者の方が亡くなってしまうことが挙げられます。
このリスクに備えられる保険は生命保険です。生命保険には、定期保険、終身保険、収入保障保険の3つがありますが、子どもの生活保障という点では定期保険か収入保障保険が適切ではないでしょうか。
定期保険は、掛け捨ての生命保険で保険料を安く抑えることができます。収入保障保険は、年金方式で毎月支給される保険で、支払保険料を合理的に安くできることが特徴です。また、将来の教育費に対しては、子どもの資産を積み立てする機能を持つ学資保険に加入しておくことは選択肢の一つになります」
ライフスタイルの変化に応じてFPに保険相談してみよう
この記事では、FPの保険相談で多い悩み/相談、FPに保険相談する前に必要な準備や注意点について解説した上で、FPとの保険相談の具体的な相談事例について紹介してきました。
保険相談は、FPのお仕事の中では最も依頼が多い相談内容の一つとなっています。
「結婚した」「子どもが生まれた」「自動車を購入した」「住宅を購入した」といったライフスタイルの変化に応じて必要な保険が変わることが、保険選びを難しくしている要因の一つです。
保険とは、特定のリスクに対応して保証を受けられる金融商品であるため、FPに相談する前に自分や家族がどのようなリスクに対応したいのかを理解しておくことがFPとの保険相談を有意義にするポイントです。
場合によっては、保険を見直すことによって家計が楽になるケースもあるため、ライフスタイルの変化に応じてFPに保険相談してみるようにしましょう。