お金の悩みは誰にでもありますが、性別や年齢、家族構成などによって悩みは異なります。子供がいる家庭なら教育費、定年が近づく世代ならば、老後の生活に悩んでいるかもしれません。20代は引っ越しや結婚などイベントが多く、何かと出費が増える年代です。自分と同じ20代がどんなお金の悩みを抱えているのか、気になる人は多いでしょう。
この記事では、20代女性のお金の悩みとして多いもの2つをお伝えします。また、25歳女性の相談内容と収支の内訳を例に、FPからのアドバイスについても解説していきます。20代女性のお金の悩みやFPのアドバイスを参考に、自分の生活設計に活かしていきましょう。
20代女性が抱えるお金の悩みで多いものは2つ
20代女性の悩みで多いものは、「貯金ができないこと」と「資産運用の始め方がわからないこと」の2つです。20代女性が貯金できない理由としては、「節約できない」「衝動買いをしてしまう」などお金の管理がうまくできないことが挙げられます。
また、「収入が低いため貯金できず、生活費がギリギリの状態」という人もいます。無理せず貯金をしていくためには、家計簿などで収支の管理をすることが有効です。
最近は、「資産運用を始めたい」という20代女性が増えてきています。資産運用のニーズが高まっている理由としては、老後2000万円問題などで老後の生活に不安を感じる人が増えたからです。
しかし、「元本割れが怖い」「投資の仕組みがよくわからない」など、なかなか始められないという人も少なくありません。
以上のことから、20代女性の多くが収支の管理に悩んでおり、老後の不安はあるが投資を始められていないと言えます。20代から家計簿などで収支の管理をすることで、30代以降の資金計画に役立ちます。また、投資に関する最低限の知識を学ぶことや資産運用を始めることで、老後の生活の準備ができるでしょう。
25歳女性の相談内容と収支の内訳
ここでは、25歳女性会社員の相談内容と収支の内訳データを例に見ていきましょう。以下は、相談内容と収支の内訳をまとめたものです。
相談内容
- 毎月の貯金額を増やしたいが、老後の準備もしたい。
- つみたてNISAとiDeCoが気になっているが、どちらが良いかわからない。
- 60歳まで毎月2万円払う個人年金保険に加入しているが、本当に必要なのか知りたい。
収支の内訳
- 収入20万円 年間ボーナス60万円
- 支出17万円
- 貯金70万円
- 個人年金保険に加入 毎月2万円の保険料
- 投資商品は購入していない
私は現在25歳で、大学を卒業してから今の会社で働き始めたので勤続3年目です。毎月、最低でも2万円は貯金しています。しかし、散財してしまうことがあり、年間30万円の貯蓄目標には届きません。
今のところ会社の業績が良いため、ボーナスは支給されると思いますが、冬季のみの支給です。前回のボーナス60万円はコスメの購入や旅行代などに使ってしまったため、貯金に回せていません。
私は一人暮らしをしており、家賃などを含めると毎月17万円ほどの支出があります。結婚するつもりがなく、老後生活が不安だと感じ、1年前に個人年金保険に加入しました。60歳から70歳まで年金を受け取れます。しかし、毎月2万円の保険料を60歳まで払っていかなくてはならず、支払いが続けられるか不安です。
最近、20代の同僚が資産運用を始めたことを知り、私も始めた方が良いのではと思っています。私はこれまでに投資経験がないため、元本割れなどのリスクは少し不安です。投資初心者には、つみたてNISAとiDeCoどちらが良いでしょうか。
私の目標は、貯金額を増やすことです。可能であれば資産運用を始めて、老後の資産形成もしていきたいと思っています。貯金方法や投資についてなど、現状を改善するアドバイスが欲しいです。
25歳女性相談者に対するFPからのアドバイス
25歳の女性相談者に対するFPからのアドバイスは、次の2つです。
- 支出を減らし、貯金する癖をつける
- 個人年金保険の見直しを検討する
アドバイス1つ目は、支出を減らし、貯金する癖をつけることです。家計のお金の管理には、家計簿をつける方法が有効です。家計簿をつけることで、収支の把握や貯金額を把握でき、家計の見直しに役立ちます。
また、家計簿をつけるのが面倒という方には、自動積立定期貯金の利用がおすすめです。自動積立定期貯金は、毎月一定額が自動的に預金口座に積み立てられる仕組みです。毎月のつみたて金額を指定できるので、自分のペースで無理なく貯金することができます。
つみたてNISAとiDeCoは、貯金ができるようになってから始めましょう。貯金に余裕がないときに資産運用をすると、緊急時に使えるお金が足りなくなる可能性があります。相談者はまだ20代なので、年間貯蓄目標の30万円を貯蓄してから資産運用をしても、老後の準備に十分間に合います。
アドバイス2つ目は、個人年金保険の見直しを検討することです。現在加入している保険を60歳まで続けた場合、総額で840万円支払うことになります。加入期間が長くなるほど払込総額は増えるので、払込額が少ないうちに解約してしまうのも有効です。
また、個人年金保険の保険料2万円を、貯金やiDeCoにあてても良いでしょう。iDeCoは60歳まで掛け金を引き出せませんが、掛け金が全額所得控除になります。さらに、iDeCoは掛け金5,000円から始められるため、掛け金の負担を減らすことも可能です。
相談者は25歳と若いため、老後のための資産運用ならば焦る必要はありません。まずは貯金額を増やしつつ、少額から資産運用を始めていきましょう。