節約をして支出を減らすことは、貯金や投資などの資産形成をする上では欠かせない習慣です。
ただ、節約術も一つのスキルであり、ストレスが掛からず楽しく長く続く方法でなければ、お金を貯めることにも繋がりません。
節約を最優先し過ぎる余りに、1円単位のカツカツの節約を徹底し、楽しい体験や人付き合いを削ってしまえば、そもそも何のために生きているか分からなくなってしまい本末転倒です。
この記事では、節約をストレスなく楽しく長く続けられる、お金を貯めるための正しい節約術の実践についてFPが解説していきます。
正しい節約術とは?
お金が貯まるかどうかは「仕事の収入-消費支出+投資収入」がプラスになるかどうかであるため、支出を削って、仕事と投資による収入を増やすことで資産形成できるお金も増えてきます。
ただ、支出を削る節約術は、お金を貯める資産形成の基本となるものですが、継続できることが重要です。
正しい節約術の条件について見ていきましょう。
ストレスが掛からず長く続くものである
人生において効果的な習慣は、ストレスが掛からずに長く続けられることが重要で、これは節約術も例外ではありません。
例えば、テレビの企画でやっているように1ヶ月ほぼ断食生活をすれば、食費がほとんど掛からず、その分の食費を全て資産形成に回すことができますが、長続きはしないでしょう。
節約術の実践においては、支出を削る習慣を始めるための最初の小さな我慢は必要かもしれませんが、支出を削って長期的にストレスになってしまうようなら問題です。
お金の節約に繋がって貯金や投資資金を捻出できている
お金の面において節約術を実践する目的は、「無駄な消費を削って、貯金や投資資金をより多く捻出すること」です。
ただ、節約術の実践を始めたにも関わらず、いざ家計簿をつけてみたら、他の支出が増えていて貯金や投資資金を捻出できていなかったケースは少なくありません。
例えば、食費を削ったストレスで、趣味代が多く掛かってしまったといったケースなどが当てはまります。
もしくは、節約を実践し過ぎて、仕事や投資のパフォーマンスが落ちてしまったというケースも本末転倒です。
貯金や投資資金の捻出に繋がる正しい節約術とは、完璧な節約を求めるではなく、楽しくストレスなく続けられることが重要です。
節約術の実践が楽しいと思える
その節約術を実践することが楽しいと思えることは、節約術を習慣化する上で非常に重要です。
家計簿をつける、料理の腕を上げる、ネットで最新情報を集めて節約に繋がる最新テクノロジーを駆使するなど、節約術を実践することを一つのゲームのように楽しめるようにしましょう。
家計簿のつけ方や料理の仕方、買い物の仕方など、節約術はどれ一つとしてみんな同じ方法はなく、自分の個性やスキルを生かせるゲームと考えることもできます。
自分なりの節約術を確立して生活の中で実践するようになれば、スーパーに行くだけでワクワクできるようになるなど、節約がライフスタイルの一つになってきます。
節約に対して良いイメージを持つ
「節約=貧乏」や「節約=ひもじい」など、節約に対して格好悪いイメージを持っていませんか?
「節約とは、規律ある消費を実践している合理的な消費者の証」「最新テクノロジーを駆使できている賢い消費者」「節約は家族の未来に繋がる行為」といった、節約に対して良いイメージを持つことが重要です。
実際、世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、合理的な節約生活を心掛けていることでも知られています。
また、日本を代表するインフルエンサーであるひろゆき氏も、コスパが良い生活を推奨していることで有名です。
長続きしない間違った節約術
節約術は長期的に続けられずに習慣化しなければ、効果を発揮しません。
長続きしない間違った節約術について見ていきましょう。
1円単位のカツカツな節約を徹底する
少しでも多く資産形成にお金を回したいがあまりに、1円単位のカツカツな節約を徹底してしまう人も少なくありません。
しかし、無駄な消費を1円足りとも許容しないといった、余りにも厳し過ぎる節約術は長続きせず、むしろストレスによるリベンジ消費で節約効果も得られないことが大半です。
生活でも仕事でも趣味でも、人間は遊びがなければストレスが掛かってしまいます。
余裕のない節約術ではなく、ストレスなく長く続けられる楽しい節約術を確立していくことが重要です。
節約を徹底し過ぎて楽しい体験や人付き合いを削ってしまう
節約を徹底し過ぎるがあまりに、旅行や趣味などの楽しい体験や、友達との人付き合いを削ってしまうことも、おすすめできません。
そもそも、節約術を実践する目的は、無駄な支出を削ってお金の余裕を作り、家族が楽しい人生を送ることにあります。
今しかできない楽しい体験まで削ってしまったら、本末転倒です。
正しい節約術の実践に役立つ習慣
正しい節約術の実践に役立つ習慣について押さえておきましょう。
家計簿をつけてお金の流れを把握する
家計簿をつけて現在の支出状況を把握することは、節約術の第一歩となります。
そもそも、「何にお金をどのくらい使っているのか?」を把握しないことには無駄な支出が分からないため、節約術も何もありません。
家計簿をつけることは手間が掛かりますが、近年は「マネーフォワード」などの無料で使える家計簿アプリも登場しているので、使ってみるようにしましょう。
ただ安いものを買うのではなく、コスパが良い価値あるものを買う習慣を付ける
節約術の実践においては、ただ安いものを買うのではなく、コスパが良い価値あるものを買う習慣を身に付けることが重要です。
ただ安いから買うとしてしまうと、「安物買いの銭失い」となって、生活満足度を下げストレスが掛かり、トータルではよりお金が掛かってしまう場合が少なくありません。
節約術を実践していくと、価値と価格について考える習慣が身に付いてくるようになります。
どれだけ安くても価値が感じられないなら買わない、逆に少し高くても価値が十分あるなら買うという消費習慣を習慣化できるようになることが、節約術の一つのゴールです。
最新情報や最新テクノロジーを活用して支出を削る
最新情報や最新テクノロジーを活用して生活満足度を下げずに支出を削ることは、IT社会全盛の現代において最有力の節約術です。
例えば、「格安スマホ(MVNO)に変える」「ネット通販やメルカリを活用するようにする」「ポイントが還元されるキャッシュレス決済を使うようにする」「省エネ家電に変える」「定額のサブスクサービスを使うようにする」などが挙げられます。
資産運用においてもフィンテックと呼ばれる便利な金融サービスが続々登場しており、「家計簿アプリを使う」「ネット銀行やネット証券を開設する」「保険は手数料が安いダイレクト型にする」などがあります。
また、ネット上の評判やおすすめ商品について調べることで、多くの人がおすすめしている情報を得ることもできます。
節約術は楽しくなければ続かない!自分へのご褒美も忘れずに長く続けよう
この記事では、節約をストレスなく楽しく長く続けられる、お金を貯めるための正しい節約術の実践についてFPが解説してきました。
節約術の習慣は資産形成する上でも重要なことですが、ストレスなく楽しくできるものでなければ続けられずに、効果を発揮しません。
節約術の実践が楽しいと思える自分なりの方法を確立し、また節約について「合理的」「賢い」といった良いイメージを持つことが重要です。
1円単位のカツカツな節約や、楽しい体験や人付き合いを削ってしまうような節約術は長続きしないため、自分へのご褒美も忘れないことがポイントです。
正しい節約術をより効果的に行うためには、家計簿をつける、価値と価格について考えるようにする、最新テクノロジーを駆使できないか情報収集するなどがあります。
節約術を実践するためのツールはたくさんありますが、いずれにしても楽しくワクワクする自分なりの節約術を実践していくようにしましょう。