家を買う前に知っておきたい!ファイナンシャルプランナーが教える住宅ローンの基礎知識

一般的に、家を購入する際は住宅ローンを組むことになりますが、「住宅ローンの仕組みが複雑で担当者に任せている」という人も少なくないでしょう。しかし、住宅ローンは多額の借金であるため、基本的な知識やリスクは理解しておかなければいけません。

この記事では、住宅ローンの金利タイプや返済方法、家を買う前に考えるべきことについて解説します。住宅ローンの基礎知識を身につけ、ローンを借りる際の不安を解消していきましょう。

目次

住宅ローンの金利タイプとメリット・デメリット

住宅ローンの金利タイプには「固定金利」と「変動金利」があり、代表的なものは次の3つです。

  • 全期間固定金利型
  • 変動金利型
  • 固定金利期間選択型

「全期間固定金利型」は、契約時から完済まで金利が変わらないため、毎月の返済額が変わらないことがメリットです。「変動金利型」は、一般的に半年ごとに金利の見直しが行われる仕組みです。「固定金利期間選択型」は、契約時に選択した期間が固定金利となり、それ以降は固定金利型か変動金利型を選ぶことになります。

これら3つの金利タイプのメリット・デメリットをまとめると、次のようになります。

金利タイプ

メリット

デメリット

全期間固定金利型

契約時に毎月の返済額や返済総額が確定する

・契約後に金利が上昇しても、影響を受けない

契約後に金利が下がっても、恩恵を受けられない

変動金利型

契約後に金利が低下すると、返済額が減る

・他の金利タイプよりも金利が低い

・契約時から金利が変動すると、返済計画が立てづらい

・金利の上昇で利息が払えなくなる可能性がある

固定金利期間選択型

契約から一定期間の返済額を確定できる

・全期間固定金利型よりも金利が低い

金利が上昇すると、返済額が増える

・固定金利期間終了後の返済計画が立てづらい

 

住宅ローンのどの金利タイプを選ぶかによって毎月の返済額や返済総額が変わってきます。それぞれのメリット・デメリットを確認し、自分に合った金利タイプを選びましょう。

住宅ローンの2つの返済方法の違い

住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つがあります。「元利均等返済」は、毎月の返済額(元金と利息の合計)が一定で、返済計画が立てやすいという特徴があります。「元金均等返済」は、毎月一定の元金と利息の合計額を返済する方法です。

「元利均等返済」と「元金均等返済」の特徴をまとめると、次のようになります。

住宅ローンの返済方法

メリット

デメリット

元利均等返済

・毎月の返済額が一定のため、返済計画が立てやすい

・元金均等返済よりも、返済を始めるときの返済額が少ない

・利息が減るのは早いが、元金(借入額)の減り方が遅い

・住宅ローンの返済総額は、元金均等返済より多くなる

元金均等返済

・ローン返済を始めた頃の返済額が最も多く、返済が進むにつれ返済額が少なくなる

・元金の減り方が早く、元利均等返済よりも返済総額が少ない

・返済を始めるときの返済額が大きいため、借入可能額が元利均等返済よりも少ない場合がある

 

元利均等返済には、毎月の元金と利息の返済額が一定で、返済が進むにつれ元金と利息の割合が変わっていくという特徴があります。返済当初は借入残高に占める利息が多く、元金(借入額)の返済割合は少なくなっています。元利均等返済のデメリットとしては、元金の減り方が遅く、元金均等返済よりも返済総額が多くなることです。

元金均等返済は、元金を返済期間で均等に分割して、そこに残高に応じた利息を上乗せした額を返済する方法です。そのため、元金均等返済には返済を始めたときの返済額が最も多く、返済が進むにつれ返済額が少なくなるという特徴があります。

元金均等返済は元利均等返済よりも元金の減り方が早く、返済総額を抑えられることがメリットです。ただし、返済開始当初の負担が大きいため、年収などの審査基準が厳しく、借入可能額が少なくなる可能性があることに注意しましょう。

住宅ローンを利用する前に考えるべき3つのこと

住宅ローンを利用するときには多額の借入をすることになるため、「借入後に後悔したくない」と考える方は多いでしょう。ここでは、住宅ローンを利用する前に考えるべき次の3つのことについてお伝えします。

  1. 準備できる頭金について
  2. 返済期間
  3. 金利タイプ

まずは、住宅購入の資金計画を立て、準備できる頭金について考えます。親からの支援はあるのか、貯蓄からどれくらい頭金に回せるのかなどを確認しましょう。一般的には頭金の目安は「物件価格の2割」だと言われていますが、無理のない返済計画を立てれば、頭金にこだわる必要はありません。返済負担が大きくなってしまわないよう返済可能額を考え、頭金を準備しておきましょう。

返済期間については定年を目安に完済する計画を立てます。定年後は年金収入のみになる人が多く、住宅ローンの返済負担は家計に影響してしまうかもしれません。また、退職金はローン完済に充てるよりも、万が一の備えとして残しておく方が良いでしょう。

金利タイプを選ぶときのポイントは、自分のライフプランに合ったものを選ぶことです。金利が上昇して返済額が増えても返済できるのであれば、金利変動型が向いているでしょう。一方で、子供の教育費が増えていく予定という人には、全期間固定金利型がおすすめです。

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