家計簿でわかる!安定した家計のサインと収支改善のコツ

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この記事の要約

家計簿は家計の収支バランスを知るためにとても役立つ材料です。まずは最低でも3ヵ月、可能なら半年~1年は記録を継続したうえで見返してみましょう。

記帳した家計簿に以下3つのサインが見られたなら、あなたの家計はひとまず安定しています。

収支バランスの良い家計のサイン
  • 赤字の月が続いていない
  • 「記帳期間の平均収入-平均支出」で十分な貯蓄ができる
  • 毎月の支出額がほぼ同じぐらいである

また、良い家計のサインのうち、ひとつでも当てはまらないものがあるのであれば、以下の対策を早めに取るとよいでしょう。

収支バランスを改善するコツ
  • 月ごともしくは週ごとの予算を決めよう
  • 平均的な家計バランスを参考に支出を見直そう

収支バランスを家計簿から見極めるポイントや、改善策に関する詳細は以下で解説しています。

家計簿を長期にわたってつけるコツもまとめているので、家計簿をつけ始めたばかりの方やこれからつけ始める方もぜひご一読ください。

家計簿から分かる良い収支バランスのサイン

一定期間にわたって家計簿を記録した後は見返して、収支バランスに問題がないかをチェックしましょう。

以下3つのサインが確認できれば、現時点での収支バランスには大きな問題がないと考えられます。

赤字の月が続いていない

支出が収入を上回っていない状態、つまり赤字になっていないことは最低限クリアしておかなくてはいけないラインです。

ただし冠婚葬祭をはじめ、まとまった支出が必要になるタイミングは必ずあります。そのようなときの一時的な赤字であれば、大きな問題ではありません。

一方、数ヵ月にわたって赤字が続いたり、赤字になる月が頻発するようであれば、危険なサイン。お金の使い方を早めに見直す必要があるでしょう。

記帳期間の平均収入-平均支出で十分な貯蓄ができる

家計簿をつけている期間の平均収入から平均支出を差し引いた金額は、その家計の平均貯蓄額です。

貯金以外に資産運用をしている場合にはそちらも踏まえたうえで、現在の家計で十分な貯蓄が可能であるかをチェックしましょう。

家計が赤字になっていなかったとしても貯蓄が不十分では、けがや病気、老後など何かしらのタイミングでは簡単に赤字へと転じてしまう恐れがあります。

なお自分が理想とする将来のために必要な貯蓄額がいくらであるかは、ライフプランと家計のキャッシュフロー表を作成すると把握しやすくなります。

個人でも作成は可能ですが、「難しい」「手間がかかる」と感じたときにはファイナンシャルプランナーを頼るとよいでしょう。

毎月の支出額がほぼ同じぐらいである

支出額が一定であるとは、衝動買いや無駄遣いが少ない、もしくはその分をほかで柔軟に調整できていることの証拠です。

前述した2点のサイン(赤字が継続していない、十分な貯蓄ができている)に当てはまり、かつ毎月の支出額がほぼ一定なのであれば、家計バランスは安定しているといえるでしょう。

家計の収支バランスを改善するためのコツ

良い収支バランスのサインに当てはまらなかった場合には、まずは以下2つの方法を試してみましょう。

月ごともしくは週ごとの予算を決めよう

家計予算を決めることは、前述した3つのサインのうち、いずれもかなえられる対策です。

赤字にならず、かつ十分な貯蓄が可能になる予算を決めましょう。予算を決める際には、家計簿を見返し、項目ごとに大まかな目安額を入れればOK。すべての項目の目安額を足した金額が、ひとまずの月予算です。

週予算にする場合は、月予算を各月の週数で割り振ります。細かく予算を割り振るほど気が引き締まり、無駄遣いの予防につながるでしょう。

なお毎月の収入から月予算を引いたときに、赤字になったり十分な貯蓄ができなかったりする場合には調整が必要です。

まずは、調整がしやすい変動費から予算の減額を検討するとよいでしょう。変動費予算を減額してもまだ足りないときには、「固定費が収入に見合っていない可能性」を疑ってみましょう。

削減できる固定費がないか、または収入を増やす手立てはないかなど、少し大がかりな家計改善が必要かもしれません。

平均的な家計バランスを参考に支出を見直そう

予算決めが難航したときには、自分の家計と世間一般の家計を照らし合わせてみるとよいでしょう。

一般から逸脱したお金の使い方をしている項目があった場合、「そこまでかける価値が自分にとってはあるのか」を改めて考えてみましょう。

「どうしてもお金をかけたい項目」なのであれば、ほかの項目で調整するか、収入を増やすしかありません。そうでない場合には、当該項目の予算削減が節約の大きなポイントになるでしょう。

以下は「総務省統計局」発表のデータを基にした、平均収支表です。(※住居費だけは賃貸住まいや実家住まいなど個々による差が大きく、平均値があまり当てにならないのでご注意ください)

単身者・勤労者世帯の平均収支(2022年度)

項目

金額

総収入(※)

363,575円(賞与等含む)

総支出

245,371円

住居費(※)

32,314円

水道光熱費

11,138円

通信費

7,643円

教育費

0円

社会保険料(※)

40,571円

保険料(※)

9,375円

食費

40,301円

日用品費(※)

2,540円

交際費

11,362円

交通費

5,980円

医療費

6,847円

美容費

4,871円

被服費

6,714円

教養娯楽費

21,046円

その他(※)

7,775円

参考:総務省統計局 家計調査(家計収支編)単身世帯の詳細結果表(2022年版)

2人以上・勤労者世帯の平均収支(2022年度)

項目

金額

総収入(※)

617,654円(賞与等含む)

総支出

437,368円

住居費(※)

20,115円

水道光熱費

24,421円

通信費

14,380円

教育費

18,126円

社会保険料(※)

67,175円

保険料(※)

22,721円

食費

80,502円

日用品費(※)

6,315円

交際費

14,810円

交通費

5,768円

医療費

13,708円

美容費

7,274円

被服費

11,293円

教養娯楽費

29,737円

その他(※)

17,352円

参考:総務省統計局 家計調査(家計収支編)単身世帯の詳細結果表(2022年版)

※総収入は、表記載外の支出も含むため、表内の金額をすべて足しても総支出にはならないf

※住居費は、家賃地代や設備修繕・維持費の合計値を記載。ローン返済費用は住居費用に含まれない

※社会保険料は、公的年金保険料、健康保険料、介護保険料、他の社会保険料の合計値を記載

※保険料は、個人・企業年金保険料および他の保険料の合計値を記載

※日用品費は、家事雑貨および家事用消耗品の合計値を記載

※美容費は、理美容サービスおよび理美容用品の合計値を記載

※その他は、身の回り用品および他の諸雑費の合計値を記載

家計簿を継続するコツは、記録する項目の厳選にあり

家計の収支バランスに問題がないかを確認するためには、一定期間の収支記録が必要です。まずは家計簿を最低でも3ヵ月、できれば半年~1年間にわたってつけてみましょう。

長期間にわたって家計簿をつけるためのコツは、記録する項目(勘定科目)を最低限にすることです。

家計簿に必要な項目は個々や家庭のお金の使い方によって異なりますが、まず固定費は必須です。「住居費」「水道光熱費」「通信費」「教育費」「保険料」「積立費」など、毎月コンスタントにかかっている費用項目を設けましょう。

変動費は、詳しく支出を把握したい項目に絞るのがおすすめです。最低限、「食費」や「日用品費」の項目は多くの場合、必要でしょう。

そのほか変動費には、「交際費」「交通費」「医療費」「娯楽費」「美容費」などがあります。変動費のうちあまりお金をかけることが少ない項目に関しては、すべて「その他」の項目にまとめるなどして省略可しましょう。

逆によくお金を使う、特に「節約しなければいけない」と考えている項目は細分化するとよいでしょう。

たとえば外食が家計を圧迫しているのであれば、食費とは別に「外食費」の項目を設けるイメージです。

家計簿を活用して、効率良く家計改善を

家計を効率良く改善するためには、何よりも家計の把握が最優先です。家計簿をつけることは、家計改善の第一歩といえるでしょう。

しかし家計の改善策を練るための素材は、家計簿だけでは足りません。目標とする資金額も明確にする必要があります。

またちょっとした改善策では目標に到達しない場合は、保険や資産運用など、よくも悪くも家計への影響が大きい内容の見直しが必要になるでしょう。

「個人の力では具体的な改善策を練ることが難しい」と行き詰まったときには、ファイナンシャルプランナーの利用がおすすめです。

ファイナンシャルプランナーは、理想の将来をかなえるうえで立ちはだかるお金の問題を解決するためのサポーターです。プロの視点による具体的なアドバイスがあれば、今はもちろん未来の不安まで取り除けるでしょう。

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