現状の家計の問題点を把握し、将来の夢や目標を叶えるためにライフプランは必要です。ライフプランの作成は、金融に関する特別な知識がなくてもエクセルを使って簡単にできます。
しかし、事前準備なくライフプランを作成すると、必要情報が抜けて、正確なライフプランができない可能性があります。そのため、ライフプランを自分で作成する前に、作成のコツと注意点について理解しておかなければいけません。
ここでは、ライフプランを自分で作成するときの3つのコツと注意点について分かりやすくお伝えします。また、FPにライフプランを作成してもらうときの注意点についても解説します。
ライフプランを自分で作成する予定の方や、FPに依頼を検討している方は参考にしてください。
ライフプランを自分で作成するときの3つのコツ
ライフプランは、現状の問題点を把握し、将来の夢や目標を実現するためのものです。そのため、ライフプラン表には必要な情報を正しく書き、正確なものを作成しなければいけません。ここでは、失敗しないライフプランを作成するための3つのコツについてお伝えします。
将来の目標を設定する
ライフプランを作成する際は、まず将来の目標を設定します。将来の目標は、1年先の短期的なものでも、10年以上先の長期的なものでも構いません。ただし、将来の目標はあなたのライフプランのゴールになるため、しっかりと考えましょう。
また、目標が具体的であるほど、ライフプランを作成しやすくなります。例えば、「10年後までに教育資金として500万円貯める」のような目標です。具体的な数字を入れることで、現状の家計の問題点や毎月の貯金額などが見えてくるでしょう。
ライフイベントを書き出す
目標の設定をしたら、想定されるライフイベントを書き出します。ライフイベントとは、次のような人生で想定されるイベントのことです。
- 結婚、出産
- マイホーム購入
- 子供の進学
- 就職、転職、退職
- 老後の生活
以上のライフイベントのうち、「今後起こるだろう」と思うものについて書き出してください。「1年後にマイホームを購入したい」といった希望を書き出してもいいでしょう。
また、家族がいる方は、配偶者や子供のライフイベントも把握しておくことが重要です。なぜなら、「配偶者がいつまで働くのか」「子供を私立の学校に進学させるのか」などが、人生設計に影響するからです。
もし、子供を私立大学に行かせることになった場合、想定よりも教育資金がかかり、その後の生活は変わるかもしれません。
収入と支出を把握する
次に、家計全体の収入と支出の把握をします。収入と支出は、給与明細や通帳、レシートなどから確認しましょう。ライフプランの作成時に必要な支出は、以下のようなものです。
- 食費や光熱費などの生活費
- 家賃、住宅ローン
- 教育費
- ガソリン代、自動車保険料など
- 生命保険料、株、投資信託など
変動費や固定費を書き出すことで、家計の課題に気づくことができます。将来の目標を実現できそうにないと感じたら、支出を見直していくといいでしょう。
また、収入を書き出すときには、給料だけでなく貯蓄についても確認しなければいけません。夫婦でお互いの給料や貯蓄について確認することで、目標金額の貯金ができているのかなどを把握できます。
iDeCoやNISA、個人年金保険などを利用している方は、現状の運用状況も書き出しておきます。運用状況はその時々で変化しますが、投資商品も資産に含まれるからです。
ライフプランを自分で作るときの注意点
ライフプランを自分で作成する際は、きっちり作りすぎないことが重要です。ライフプランをきっちり作りすぎてしまうと、手間がかかったことを思い出し、見直しにくくなってしまうからです。
しかし、転職等で生活が変わることもあるでしょう。生活が変われば目標実現までの道筋も変わるため、ライフプランは定期的に見直していかなければいけません。可能であれば、2年に一度くらい見直していくことで、目標へのズレが起こりにくくなります。
また、ライフプランは家族と話し合って作成する必要があります。自分だけでなく家族の夢や目標を反映したライフプランにすることで、家族でライフプランを実行しやすくなるからです。
ライフプランについてFPに相談するときの注意点
「ライフプラン作成を自分でするのは難しい」と感じ、FPに依頼する人もいるでしょう。FPに相談することで、専門的なアドバイスをもらうことができるのはメリットです。しかし、FPに相談するときには、次の2つの点に注意しなければいけません。
- 専門分野ではない可能性がある
- 有料相談もある
FPはお金のプロですが、専門分野があります。ライフプラン相談を専門にしていないFPの場合、具体的な改善策が得られないかもしれません。そのため、「このアドバイスで本当に良いのか」と感じたら、複数のFPに相談することをおすすめします。
また、FP相談には無料相談と有料相談があります。相談にできるだけコストをかけたくない方は、無料相談の方が向いているでしょう。
しかし、有料相談のコストが無駄ということはありません。有料相談は無料相談に比べて、特定の金融商品の勧誘をされにくいというメリットもあります。無料相談と有料相談の特徴を理解した上で、状況に応じて使い分けることが重要です。