お金の専門家であるFPは、資産運用全般に関することを相談できます。たとえば、「老後資金が不安」「自分に合った資産運用方法を知りたい」といった相談に対して、具体的なアドバイスを行います。
資産形成は今後の長い人生を充実させるために、とても大切な部分です。わからないことがあれば、専門家に相談をして正しく運用することが大切です。
そこで今回は、FPに相談できる資産運用の具体的な内容や、過去の解決事例について紹介します。
FPは「資産運用全般」の相談ができる
FPは、資産運用全般に関する相談に対し、的確なアドバイスを行えます。具体的には、以下のような相談内容に対応しています。
- 資産運用の注意点
- 資産運用の種類や運用方法の説明・紹介
- 各家計に合った資産運用方法の提案
など、資産運用といってもさまざまな種類があり、人それぞれ向き・不向きがあります。
そのため、FPは相談者の家計状況を詳しく聞きながら、個別事案ごとに合った資産運用方法の提案や紹介を行います。
たとえば、これまで普通預金で資産運用を行っていた人が、歴史的な円安をきっかけに普通預金以外での資産運用を検討し始めたとしましょう。
資産運用の資金源が余裕資金であり、積極的な運用を目指すのであれば、リスクがありリターンも見込める商品を薦めるでしょう。
一方、あまり余裕がないけど少しでも資産運用による利益をあげたい、と考える家計状況だった場合は、元本が保証されている金融商品が良いと判断される可能性が高いです。
上記のようにFPは、各家計の状況を判断した上でどういった資産運用方法が有効なのかを判断し、提案します。
資産運用に関する総合的な知識のもと、メリットやデメリットを踏まえた説明をできるのがFPの強みであり、特徴です。
資産運用相談〜解決までの流れ
FPへ資産運用の相談から解決までの大まかな流れは以下のとおりです。
- FPを見つけて相談をする
- 相談内容を確認する
- 相談者に合った資産運用方法を提案・紹介
- 相談後も定期的に見直し・アドバイスを行う
FPを見つけて相談をする
初めに、資産運用に関する相談をするFPを見つけなければいけません。
FPは大きく分けて、金融機関などに勤務する企業系FPと独立して顧客の相談を受け付けている独立系FPがいます。資産運用に関する相談をする場合は、より専門的な知識を有している企業系FPがおすすめです。
企業系FPの中でも、証券会社や銀行といった金融機関に勤務する人で、主に資産運用の提案業務を行っているFPに相談をした方が良いでしょう。
また、多くの金融商品を取り扱っている企業に相談をすることで、相談者の家計状況に合った金融商品を提案してもらえます。
また、独立系FPの中でもFA(ファイナンシャル・アドバイザー)と呼ばれる人は、資産運用の専門家です。
FAは有資格者ではなくても名乗れますが、FP資格を有しながらFAを名乗っている人は、資産運用を専門としているFPであることがわかるため、相談先として候補に入れておいても良いでしょう。
相談内容を確認する
FPへ相談をする際は、事前に相談内容を確認しておくと良いです。
たとえば、「老後資金を貯めるために資産運用をしたい」「余剰資金で積極的な運用を行いたい」など、さまざまな目的を持っているはずです。そういった目的を明確にしておくことで、より具体的なアドバイスを受けられます。
ただ、FPへ相談する際はざっくりとした不安や疑問でも問題ありません。たとえば、「このままでは将来が不安であるため、資産運用を検討したほうが良いのだろうか?必要ならば、どうすれば良いのだろうか?」といった内容でも良いです。
相談者の家計状況を踏まえた上で、必要な資産を検証し、資産運用方法の提案や紹介を行います。
相談者に合った資産運用方法を提案・紹介
相談者からいただいた情報や希望を元に、各家庭に合った資産運用方法の提案や紹介を行います。
資産運用の相談業務を行っているFPの多くは、自社商品の紹介や販売を行っています。また、FPが窓口となって金融機関や金融商品を紹介してもらうことも可能です。
相談後も定期的に見直し・アドバイスを行う
FPは、初回相談から解決後も、定期的な見直しやアドバイス業務を行います。家計は数年おきに大きなライフイベントを迎えることが多く、資産状況の変動も起きるためです。
定期的にFPに相談をすることで、その時々に合った資産運用を行えるため、常に安定した家計状況を築けます。
【資産運用】FPへの相談・解決事例
FPは、資産運用に関すること全般の相談ができます。具体的には、以下のような相談が可能です。
- 資産形成のアドバイスが欲しい
- 自分に合った資産運用の方法を提案・紹介してほしい
など、過去にあったFPへの相談事例と解決事例について紹介します。
【事例1】リスクの少ない資産運用方法が知りたい。
相談内容:
貯蓄方法に無関心であり、多くのお金を普通預金として貯めてきました。しかし、もらえる利息はわずかであるため、定期預金などに変えたほうが良いのでしょうか?また、リスクをとってまで投資をしたいとは考えていません。
解決方法:
目的を持って積立定期の利用を検討してください。とくに、ネット銀行の定期預金の場合は金利が優遇されている商品も多いため、リスクを取ることなくこれまで以上の利息を得られる可能性があります。
解説
上記の例では、貯蓄に興味関心がなく普通預金で貯金していた事例です。利息が少なく、もっと効率的な運用方法はないのか?と思い、FPへ相談をされました。
相談者の希望として、リスクを取りたくないとのことであったため、金利が優遇されるネット銀行の定期預金を提案をしました。また、目標を持って資金計画を立てることで、より効率的に貯蓄できるようになるとアドバイスが行われた事例です。
【事例2】老後資金調達のための投資すべきか。
相談内容:
子育ても終了し、老後資金の貯蓄を開始しましたが、低金利時代でなかなか増えません。自分達が老後を迎えた際にいくらの貯蓄があり、その貯蓄額で足りるのでしょうか?また、投資を始めて老後資金を準備するべきでしょうか?
解決方法:
今回の相談者の貯蓄ペースを見ると、投資を始める必要性は低いと判断できます。ただ、これからの時代のことを考えると、老後資金は多ければ多いほど良いです。そのため、少額投資で自分は投資に向いているかどうか、といったところから判断されてみてはいかがでしょうか。
解説
上記事例は、老後資金を投資などで運用していくべきか?といった相談内容でした。FPが検証した結果、貯蓄ペースは順調であり、無理をして投資による資産運用は必要ないと判断されました。
しかし、今後のことを考えると資産を増やしておいて損はありません。そのため、まずは自身で勉強をして10万円程度の少額融資を始め、興味関心を持てるようであれば、資産額を増やしていけば良いとアドバイスを行った事例です。
FPに資産運用の相談をする際の注意事項
FPに資産運用の相談をする際は、相談先に注意してください。
FPを大きく分けると金融機関などに勤務する企業系FPと、独立して営業を行う独立系FPがいます。
企業系FPは、自社商品の販売を目的としているケースが多い反面、より正確な金融知識を所有していたり、関係資格を有していたりする可能性が高いため、信頼度はとても高いです。
一方、独立系FPはFP業務全般を行っている人から、資産運用に特化した人までいます。どのFPに相談をするかによって、意見が異なる可能性もあります。
そのため、資産運用に関する相談をする際は、金融機関に勤務する企業系FPもしくは、資産運用に特化したFP・FA(ファイナンシャル・アドバイザー)への相談を検討してください。