【相続対策相談編】実際にFPはどんなアドバイスをしてくれるのか?

相続法が大きく改正されたことで、以前よりも多くの方が相続対象者になりやすくなりました。

しかし法律周りのことは何かと取っつきづらく、いざ「相続の手続きをしよう」もしくは「相続の準備をしよう」と思っても、何から手をつけてよいか分からないという方は多いでしょう。

そんなときに頼りになるのが、FPです。ここでは相続対策に関する相談に特化して、FPの利用方法をご紹介します。

よくある相談事例とともにもらえるアドバイスをまとめているので、「FPにはどんなことを相談できるんだろう?」と悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

目次

相続に対する不安はすべてFPに相談可能!

具体的な事例をご紹介する前に、ざっくりとFPに相談できる内容について解説します。

実はお金にまつわる人生設計のことであれば「なんでも」話を聞いてくれるのがFPです。なので相続に関することであれば、基本的にはどんなことでも相談して構いません。

  • 「自分は相続対象者になるの?」
  • 「相続できるものはあるの?」

など、相続に関する知識がまったくない状態でもOKです。むしろそういったばく然とした悩みほど、FP向きといえるかもしれません。

相続対策に関する相談先といえば、FPのほかにも弁護士や税理士などがいますが、専門家への相談となると基本的には専門分野に関する内容のみです。

たとえば税理士であれば「相続税を知りたい」「相続税の節税対策を知りたい」といった相談はできますが、「相続人の間でトラブルが起きそうだ」といった相談になると、今度は弁護士を頼らなくてはいけません。

「そもそも何を知るべきなのか、何をするべきなのかすら分からない」といったケースでは、どこを頼ったらよいのかすら、判断に困るでしょう。

その点、FPは相続対策に関するすべての相談にアドバイスが可能です。

それも法律的な観点だけでなく、相談者の気持ちや、家族全体のこれからのライフプランを踏まえたうえで「どのような手順で何をするべきか」を提案してくれます。

  • 「どのようにすればよい形で資産を残せるのだろうか」
  • 「大切な人に旅立たれた後、どのように生活していけばいいのだろうか」

そんなふうに、相続について多くの不安や心配を抱えているのなら、FPへの相談がおすすめです。

相続対策に関するFP向けの相談事例

FPに寄せられることが多い相談事例としては、以下のような内容が挙げられます。

  • どのくらい財産をもらえるの?相続税はいくらかかる?
  • 相続税を安くする方法ってある?
  • いつどのタイミングでどの手続きをすればいいの?手続きのやり方は?
  • 財産をそのまま相続するのと現金化するのはどっちがお得?
  • 財産はどのくらい残すべき?老後の生活にどのくらいお金を使っていい?

ここからはこれらの事例について、具体的にどのような悩みなのか、FPから得られるアドバイスとはどのようなものなのか、詳細をチェックしてみましょう。

FPに相談することで得られるメリットが、想像しやすくなります。

相談事例1:どのくらい財産をもらえるの?相続税はいくらかかる?

こちらはいざというときに損をしないように、相続対策を講じるための前準備としてFPへと相談するケースです。

初めての相続であれば、どこからどこまでが相続可能な財産に含まれるか分からないのが一般的です。財産の範囲が分からなければ当然、相続税がいくら発生するのかも分かりません。

しかしこれらを分からないままにしていては、いざ相続発生となったときに相続税を支払えなかったり、相続人同士で揉めたりなど、トラブルが発生しやすくなってしまいます。

前もってFPに相談しておけば、財産を洗い出したうえで財産の一般的な評価額を算定してもらえるため、相続税の概算が分かります。

そのほか、遺産相続後のライフプランや、相続税の貯蓄を考えたこれからのライフプラン設計もしてもらえるでしょう。

相談事例2:相続税を安くする方法ってある?

こちらは相続税を節税する方法について、具体的にどうするかを決めるためにFPへと相談するケースです。相続人が相談することもあれば、被相続人が相談することもあるでしょう。

相続税の節税方法は、財産の種類や金額、相続人との関係性などによって、さまざま用意されています。

FPに相談すれば、「自分たちのケースではどの節税方法が向いているか」を具体的に提案してもらえるでしょう。

このような相談は税理士にも可能ですが、FPの場合は「実現したいライフプラン」に寄り添った提案を重視するのが特徴です。

相談事例3:いつどのタイミングでどの手続きをすればいいの?手続きのやり方は?

相続発生前であれば節税のための手続きや遺言書作成など、発生後であれば相続承認や取得財産の名義変更など、相続に関する手続きは非常に多いです。

いざというときに備えて事前に手順を確認しておきたいというケースや、相続発生後の心身ともに慌ただしい時期にSOSを出す形でFPに相談するケースがあります。

相談を受けたFPは、手続きの手順について1から解説してくれるほか、必要であればその都度、信頼できる専門家を紹介してくれるでしょう。

紹介を受ける場合は、

  • 「依頼人がどのような状況にあるか」
  • 「どのようなサポートを求めているのか」

などを紹介先へと事前に共有してもらえるため、心身の負担を減らせるのもメリットです。

相談事例4:財産をそのまま相続するのと現金化するのはどっちがお得?

住む予定がない宅地や、運用や管理が必要な金融資産を相続する場合などに多い相談例です。こちらも相続人が相談するケースだけでなく、被相続人が相談するケースも見られます。

現金化すべきかどうかは、節税を重視するか、遺産分割のしやすさを重視するかなど、ケースによって答えが千差万別です。FPに相談すれば、ライフプランや家族構成に合った方法を提案してもらえるでしょう。

またFPは資産運用のアドバイスも可能であるため、「できれば運用したいけど、知識がまったくなくて困っている」といったケースでも親身になってもらえます。

相談事例5:財産はどのくらい残すべき?老後の生活にどのくらいお金を使っていい?

お子さまやお孫さんのために財産を残したいと考える方は多くいます。しかし残しすぎては相続人の間でトラブルが起こりやすいほか、多く残すためにと老後の生活を必要以上に切り詰めてしまう恐れがあるでしょう。

FPは家族全員が自分らしく生きるための人生設計を考えるためのパートナーです。FPに相談すれば、残すべき財産と使うべき財産をそれぞれ把握できます。

趣味にお金をかけたり、食事や旅行に出掛けたり……時間に余裕ができる老後だからこその楽しいライフプランを実現しやすくなるでしょう。

FPだからできることと、できないこと

FP技能士は国家資格を持つ専門家ではありますが、その仕事はプランニングとそれに伴うアドバイスまでに限られます。

相続に関してであれば、具体的な手続きに関して、方法の解説や専門家の紹介はできますが、FPが手続きを代行することは原則できません。

相続対策に関する主な手続きは税理士の資格が必要であり、相続交渉や調停などは弁護士の資格が必要であるなど、異なる資格が必要になるためです。

以上のことからFPへの相談は、「これからの人生を考えたうえで今、相続についてどうするべきか、客観的かつ気持ちに寄り添ったアドバイスがほしい」ときに向いているといえるでしょう。

FPは幅広い領域&未来までサポートしてくれるのがポイント

FPによるアドバイスはすべて、一人ひとりが理想とするライフプランに基づいたものであることがメリットです。

相続対策に関しても、ただ効率的な方法を紹介してもらえるだけに留まらず、気持ちや未来のことまで見据えた提案をしてもらえるでしょう。

財産は、受け継いで終わりではありません。その場しのぎに終わらないサポートを求めているのなら、FPへのご相談をおすすめします。

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