投資の第一歩を踏み出そう!ファイナンシャルプランナーが導く初心者向けスタートガイド

将来のお金の心配に備えて、NISAやiDeCoといった投資優遇制度を活用して投資を始める現役世代が増加しています。

投資を始めることは、老後資金の形成に役立つだけではなく、投資を通じて経済トレンドや世界経済動向についてアンテナを張れるようになるため、仕事にも役立つことが少なくありません。

初心者におすすめの投資としては、世界株や米国株などのインデックス投信やETF(上場投資信託)に長期・積立・分散投資することがあります。

この記事では、NISAやiDeCoを使った初心者におすすめの投資方法についてFPが解説した上で、初心者がやってはいけない投資についても取り上げています。

目次

投資を始めるメリット

NISAやiDeCoといった投資優遇制度を活用して投資を始める現役世代が増加しています。

投資を始めるメリットについて見ていきましょう。

老後資金の形成に役立つ

多くの人が投資を始める最大のきっかけとしては、老後資金の形成に向けて資産形成したいということが挙げられます。

投資は長い時間を掛けて長期・積立・分散投資することによって、より大きな利益を享受することができます。

金融庁のNISAの解説ページにある「資産運用シミュレーション」を使って調べてみると、長期・積立・分散投資の効果を知ることが可能です。

例えば、毎月3万円ずつ積み立てをして、年率5%で運用していくと、30年後には24,967,759円と、約2,500万円になります。

毎月3万円を普通預金に積み立てすると、ゼロ金利のため30年で1,080万円となりますが、年率5%で運用することで、30年で2.5倍の差が付くことになります。

少額投資で始めても、長期・積立・分散投資をしていけば、30年でこれだけ大きな差が生まれてしまうのです。

投資を通じて経済や最新トレンドに詳しくなる

投資を始めることの副産物としては、経済や最新トレンドに詳しくなることが挙げられます。

例えば、現役世代に人気となっている米国株や世界株のインデックス投信やETFは、時価総額が大きいグローバル企業に分散投資する金融商品です。

インデックス投資をすることになれば、世界のITをリードするGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)や電気自動車(EV)大手のテスラモーターズ、半導体GPU大手のエヌビディアといった企業について詳しくならざるを得ません。

すると、ニュースで流れてくるデジタルトランスフォーメーション(DX)、EVシフトや脱炭素、半導体不足や人工知能(AI)といったニュースについてもアンテナが立つようになってきます。

また、米国FRBの利上げや、急激な円安ドル高、ウクライナ情勢といった政治・経済に関わるニュースについても理解が深まってきます。

このようにして投資を通じて経済や最新トレンドに詳しくなることによって、本業の仕事や日常生活においても役に立つことは言うまでもありません。

初心者におすすめの投資

FPが投資初心者におすすめの投資について、ポイントを押さえておきましょう。

NISA・iDeCoの範囲内で、貯金の延長上で現物投資をする

ニュースでも耳にすることが多いNISA・iDeCoは、投資で生じた利益が非課税となる投資優遇制度です。

投資で生じた利益は、値上がり益(キャピタルゲイン)と配当金・分配金(インカムゲイン)があり、いずれも20.315%の税金が発生しますが、NISA・iDeCoの投資枠なら税金が非課税となります。

また、NISAは現在600万円(つみたてNISAは800万円)までとなっていますが、2024年からはトータル1,800万円まで大幅拡充されることが決定しています。

※出典:金融庁

よほど大きな資産を持っている場合を除けば、NISA・iDeCoの範囲内だけで投資するだけで十分です。

イメージとしては、銀行口座に毎月貯金を積み立てていく感覚で、NISA・iDeCoの範囲内で現物投資を積み立てていくようなものとなります。

個別株ではなくインデックス投信やETFで積み立てていく

「投資」と聞くと、多くの方は、トヨタ自動車やソニー、ソフトバンクといった個別株投資を連想されることかと思います。

しかし、個別株投資は大きなリターンを得られる場合もありますが、大きな損失となってしまうリスクも伴います。

初心者におすすめなのが、個別株ではなく、複数の銘柄に分散されているインデックス投信やETF(上場投資信託)です。

インデックス投信というのは、日本株だと「日経平均株価」や「TOPIX」、米国株では「ダウ平均株価」や「S&P500指数」といった、指数(インデックス)に連動する金融商品です。

例えば、日経平均株価に連動するインデックス投信は、日経平均株価を構成する225銘柄に分散投資されている金融商品となります。

インデックス投信は個別株のような大きなリターンをもたらすことは期待できませんが、多くの銘柄に分散投資されているため、低リスクで安定した上昇が期待できます。

目指すは年率5%!世界株や米国株のインデックス投資に挑戦してみよう

インデックス投資の中でも、投資初心者におすすめなのが、世界株や米国株に連動するインデックス投信やETFです。

米国株に連動するインデックス投信とは、米国株500銘柄に分散された「S&P500指数」などに連動するもので、世界株に連動するインデックス投信は米国株を主体としたグローバル企業に分散投資する金融商品です。

なお、インターネット上の投資コミュニティで「オルカン」という言葉を見たら、それは「オールカントリー」の略称であり、世界株投信を意味しています。

世界経済や米国経済は人口増加も背景に成長を続けており、世界株や米国株に連動するインデックス投信やETFは、今後の世界経済成長率4%程度の上昇を見込むことが期待できます。

ただ、世界株や米国株のインデックス投信であっても、世界株安局面などでは一時的に-20~-30%程度の下落に見舞われることがある点には注意が必要です。

とはいえ、長期的には上昇することが期待されるため、世界株安局面であっても投資を継続することが重要です。

初心者がやってはいけない投資

SNSなどでは「株で億り人になった!」「仮想通貨に投資して資産が2倍になった!」といった情報が多数溢れていますが、このような情報は下手に真に受けるべきではありません。

初心者がやってはいけない投資について押さえておきましょう。

個別株投資やFX、仮想通貨などはリスクが高い

個別株投資やFX、仮想通貨などは、大きなリターンを期待できることがある反面、大きな損失を被るリスクもあります。

また、信用取引やレバレッジを掛ければ、リターンは大きくなる一方で、最悪の場合には追証が発生して全資産を失ってしまうことにもなりかねません。

インターネット上には、大きな利益を得たという心が揺さぶられてしまいそうになる情報が多数溢れていますが、投資初心者は現物による長期・積立・分散を継続すべきです。

ハイリスクな投資に手を出して大きな利益を得た一部の投資家の裏には、資産を失ってしまった投資家が多数いることは忘れないようにしましょう。

年率5%より高いリターンをうたう投資は全て避けた方が賢明

初心者におすすめの投資は、NISAやiDeCoの範囲内で、世界株や米国株インデックスを現物で長期・積立・分散投資を継続することです。

ただ、世界株や米国株インデックスで期待できるリターンは、長期的には年率5%程度です。

世界経済の成長率を超えるリターンを株式市場から得るとなると、リスクを取る必要が出てきます。

年率5%という現実的なリターンの数値は、SNS上に溢れている情報からすると、とても小さいものだと思えてしまうかもしれません。

ただ、毎月3万円を積み立て、年率5%で運用した場合には、30年後には約2,500万円になります。

世界株や米国株インデックスに、現物で長期・積立・分散投資を継続すること自体は簡単なものです。

投資初心者にとってインデックス投資を続ける難関は、「世界株安局面でも投資を継続すること」「SNS上の情報に惑わされずに継続すること」の2点です。

強い精神力を持って、インデックス投資を継続するようにしましょう。

初心者向けの投資は思ったより難しくない!まず第一歩を踏み出してみよう!

この記事では、NISAやiDeCoを使った初心者におすすめの投資方法についてFPが解説した上で、初心者がやってはいけない投資についても取り上げてきました。

投資を始めるメリットとしては、老後資金の形成に役立つことはもちろん、経済やトレンドについても詳しくなることで本業にも良い影響を与えることが挙げられます。

例えば、毎月3万円ずつ積み立てをして、年率5%で運用していくと、30年後には約2,500万円になります。

初心者におすすめの投資は、NISAやiDeCoの範囲内で、世界株や米国株インデックスを現物で長期・積立・分散投資していくことです。

初心者向けの投資自体は難しくありませんが、「世界株安局面でも投資を継続すること」「SNS上の情報に惑わされずに継続すること」の2点には注意が必要です。

ネット証券を開設してNISA口座を開いてみるなど、投資の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

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