エンゲージメントリングから年金まで:結婚と老後資金問題

結婚をすると夫婦でさまざまなライフイベントを迎えます。人生におけるイベントごとには、費用が発生するため、中には「経済的な不安」を抱えている人もいるのではないでしょうか。

とくに、結婚をして一生添い遂げることを決めた相手との老後生活に不安を抱えている人は多いはずです。

そこで今回は、結婚から老後までの主な支出内容や夫婦二人でセカンドライフを楽しむためのポイントについて詳しく解説します。これから結婚を考えている人、結婚をして老後に不安を抱えている人はぜひ参考にしてください。

目次

結婚から老後までの世帯平均支出

結婚をしてから老後までの世帯支出を算出する上で、いくつかのライフイベントに分けて考える必要があります。たとえば、以下のようなライフイベントに分けられます。

  • 結婚式・新婚旅行費用
  • マイホームの購入
  • 子の出生
  • 子の入学・卒業
  • 子の結婚
  • 定年退職
  • セカンドライフ

 

人生のなかで特に大きなイベントは上記の通りです。中には、多額な費用が発生するイベントもあるため、事前に把握・準備をしておくことが大切です。

 

【ライフイベントごとの平均支出】

ライフイベント

平均支出

結婚式・新婚旅行

平均450万円程度の支出

マイホームの購入

購入不動産の10%〜20%程度の頭金

子の出生

40万円〜50万円(保険適用)

子の入学・卒業

小学校から大学まで公立の場合:800万円程度
小学校から大学まで私立の場合:2,300万円程度

子の結婚

支援金額による

定年退職

支出なし

セカンドライフ

2,000万円〜2,500万円程度不足すると試算

 

結婚というイベント自体にかかる費用は450万円程度です。一時的な支出は大きいため、夫婦で話し合い、予算を決めてどのように行うか検討すれば良いでしょう。

その後、結婚を機に子の妊娠や出産を迎えると、育児休暇等を取得するため収入が減ります。一方で、世帯人数が増えるため、必然的に支出は増えるため計画的に予算を確保しておくと良いでしょう。

この出産等を機に、マイホームを購入する場合は購入資金の10%〜20%程度の頭金を用意しておくのが理想です。5,000万円の家であれば500万円〜1,000万円が理想です。しかし、実際にこの費用を用意するのは容易ではありません。

そのため、オーバーローンも視野に入れて長期的な返済スケジュールをたて、無理のない範囲で借入を検討すると良いでしょう。

また、子の成長に伴い小学校や中学校、高校の入学等に費用がかかります。私立・公立によっても費用は大きく異なりますが、18年〜22年の間で数百万円から数千万円程度のお金がかかります。

子が独立した後も経済的支援を行うことを検討されているのであれば、その費用も用意しなければいけません。やっとの思いで定年退職を迎え、数千万円程度の退職金を得られても公的年金と定年退職金のみでは、老後資金に不安が残ります。

実際に不足する金額は、各世帯によって異なります。一般的な公的年金受給額の人で、約2,000万円〜2,500万円は不足すると考えておいたほうが良いです。

【老後資金問題】夫婦二人の老後収入と支出の現実

結婚から定年退職までの間は、働いて安定した収入を得られるためとくに心配をする必要はありません。しかし、定年退職をして公的年金のみで生活を送る年齢になったとき、これまでと同じ生活を送ることは難しいです。

老後に夫婦二人で必要となる平均支出は、約24万円です。さらに保険料や税金等の非消費支出を合わせると、合計約27万円強の支出が必要となります。一方で、収入は平均的な世帯で約24万円程度です。

つまり、毎月3万円程度の赤字が続きます。単純計算で1年間で36万円、10年間で360万円です。仮に、老後生活が30年間続くと仮定した場合、36万円×30年=1,080万円不足する計算です。

もし、収入が上記より少なかったり支出が多かったりして、仮に毎月5万円の不足が発生する場合は、60万円(1年間の不足)×30年=1,800万円の不足金額となる計算です。

そのため、最低でも1,000万円〜2,000万円程度の老後資金を確保しておかなければいけません。さらに、医療費や介護費など、さまざまなリスクを考えると2,500万円がひとつの目安になります。

夫婦でセカンドライフを楽しむための事前対策

現在の日本において、老後の生活資金確保は自助努力が必要不可欠です。結婚をして夫婦で充実したセカンドライフを楽しむためには、事前対策を行わなければいけません。具体的には、以下のような対策が有効です。

  • 老後の問題点を把握しておく
  • ライフイベントを明確にしておく
  • 老後資金を準備しておく

それぞれ詳しく解説します。

老後の問題点を把握しておく

充実したセカンドライフを迎えるために、問題点を把握しておく必要があります。たとえば、老後資金不足問題や健康上のリスク、介護の問題などさまざまな問題が発生し得ます。

老後に起こり得る問題点を把握し、どういった準備をしておけば良いのかについて考えておくと良いでしょう。

ライフイベントを明確にしておく

老後のライフイベントを明確にしておくことも大切です。たとえば、「毎年旅行に出かけたい」「数年に一度は、家族全員で旅行に出かけたい」や「子どもの結婚資金や孫の教育資金を準備しておきたい」など理想を明確にしておきます。

また、ライフイベントごとにかかる費用を把握し、準備しておくことも大切です。セカンドライフを充実したものにするためには、ライフイベントの計画・準備は必要不可欠でしょう。

老後資金を準備しておく

セカンドライフを楽しむためには「資金」が必要です。一般的な生活を送るだけでも、毎月3万円〜5万円程度、もしくはそれ以上の資金が不足すると言われています。さらに、「老後は〇〇をしたい」などの理想があれば、そういったことにも費用がかかります。

そのため、できるだけ早い段階から老後資金の準備をしておくことが大切です。具体的には、以下のような方法が有効です。

  • 効率的な資産運用
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入
  • 長く働く努力をする

など

結婚をしたり妊娠・出産をしたりすると、休業に伴い収入が減ったり、子の出生に伴い支出が増えたりします。そういった中で、費用を捻出して老後資金を蓄えるのは難しいかもしれません。

しかし、老後のことまで考えられる余裕があるのであれば、少しずつ、早い段階から準備をしておいたほうが良いでしょう。

また、お金がかからない老後資金対策として、「長く働く努力をすること」が挙げられます。健康寿命を伸ばす努力をしたり手に職を付けたりすることにより、長く働くことができ、公的年金の繰下げ受給の検討も可能です。

上記の通り、さまざまな方法を検討されてみてはいかがでしょうか。

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