FPに相談しても意味ないことも?相談すべき状況としなくても良い状況を解説

FPにお金の相談をしてみたい人は多いものの、ネット上などでは「FPに相談しても意味がない」という意見も少なくありません。

FPに相談する際には、「そもそも、FPとはどんな知識を持つ専門家なのか?」を理解した上で、相談者自身もFPに丸投げするのではなく、自分事として考えてFPを活用することが重要です。

この記事では、FPに相談しても意味がないケースについて取り上げた上で、FPに相談すべき状況とFPに相談しなくても良い状況について解説していきます。

目次

FPに相談しても意味がない3つのケース

FPに相談しても、ほとんど意味がない3つのケースについて見ていきましょう。

FPに専門知識がなく、情報が古い

FP資格は、「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」の6分野の知識を問う試験に合格することで取得できます。

FPの試験範囲は、お金について幅広い知識を問う内容となっていますが、知識として見ると“広く浅く”という側面が強くなっています。

FPは、投資では証券アナリスト、税制では税理士、不動産では宅建士、相続では弁護士に比べると、専門性が薄くなってしまう点は否めません。

また、FP資格は「お金の専門家」としての国家資格ですが、一度資格を取ってしまえば一生有効になるため、新しい情報にアップデートしていないFPがいる場合もあります。

強引な特定の金融商品を売りつけ

銀行や保険会社と提携していて、特定の金融商品を進めてくる場合があります。

この場合、手数料の何%かがキックバックされる仕組みとなっています。

商品の例としては、

  • 保険料が高い生命保険
  • 医療保険
  • 手数料割高の外貨預金
  • 投資信託

などが挙げられますが、これらの商品が悪いというわけではありません。

しかし「自分や家族のためのお金の相談をすること」が目的の利用者に対して、FPが商品提案ばかりしてくるといった場合、メリットはほとんどないかもしれません。

家族がどのようなライフプランを送りたいのか分からない

「FPに相談しても意味がなかった」と感じられるケースは、FPやFP事務所側に理由がある場合もありますが、相談者側に落ち度があるケースもあります。

FPは、お金の専門家であり、その仕事内容を大雑把に言うと「家計のライフプランを設計すること」です。

相談者側が、「どのようなライフプランを送りたいのか分からない」「家計状況を全く把握していない」といった場合には、お金のゴールが設定されていないため、どうしてもFPは価値を提供することができません。

FPに相談する際には、FPに丸投げするのではなく、「自分や家族はどのようなライフプランを送りたいのか?」を大雑把でいいので把握した上で、最低限の家計状況は頭に入れた上でFPを活用するようにしましょう。

FPに相談すべき状況とは?

FPに相談すべき状況について見ていきましょう。  

ライフプランや税制、保険、相続などで分からないことがある

お金に関する基本的なことで分からないことがある場合には、FPに相談するようにしましょう。

例えば、「家計状況は把握しているけど、教育費や住宅費など今後のライフプランをどう立てていいのか分からない」といった状況にある場合には、FPに相談することで問題解決に繋がることが期待できます。

また、FPは税制や保険、相続、不動産についても基本的なことは学んでいるため、これらの点で分からないことがあった場合にも価値を提供できます。

FPの強みは、幅広いお金の知識を持っていて、それぞれの家計状況に応じたライフプランを提供できることにあります。

この点を意識した上で、FP相談を活用するようにしていきましょう。

現在の家計状況から現実的なライフプランを設計したい

日本人の三大消費は教育費・住宅費・老後資金で、多くの家計が不安に思っています。

FPは、学資保険や奨学金制度、住宅ローンや住宅ローン税制、年金制度やNISA・iDeCoなどの資産運用について、現在の家計状況から考慮した総合的なライフプランを提供することができます。

ただ、あくまでFPは、現在の家計状況から現実的なライフプランを提供することが限度です。

「この住宅ローンを組むのは厳しい」「この投資にはリスクがある」など、家計状況からすると厳しいライフプランの場合には、忖度せずに率直に言えることがFPの真の価値でもあります。

お金について専門的・客観的な意見を聞ける

FP試験はそこまで難しくないため、社会人が独学で学んでも、FP試験合格程度の知識を身に付けることは可能です。

ただ、日々多くのお金の相談を受けているFPと相談できることは、お金について専門的・客観的な意見を聞けるという点で価値があります。

お金の勉強は自分一人でもできますが、実際に多くの人からお金の相談を受けているFPからの意見も聞ければ、よりお金のリテラシーが向上するでしょう。

FPに相談しなくても良い状況とは?

FPに相談しなくても良い状況について見ていきましょう。

儲かる情報を期待してFPに相談しようとしている

「FPに相談すれば、儲かる金融商品を教えてくれる!」と期待して、FPに相談する方も少数ながらおられますが、残念ながら、FPはこの期待に応えることはできません。

むしろ、「この商品に投資すれば、年利5%で運用できます!」といった情報を提供してくるようなFPがいたら、すぐに相談を打ち切るようにしてください。 

FP試験では、「リスク管理」で保険について学び、「金融資産運用」では投資について学びますが、あくまで制度しか学びません。

NISAやiDeCoといった投資の制度についてはFPに相談しても構いませんが、具体的な金融商品選びまではFPの専門領域ではないということを認識しておくようにしましょう。

家計状況を既に把握していて資産形成もできている

既に自分自身の家計状況を把握しており、貯金や積立投資など資産形成の習慣ができている場合には、FPに相談しても得られる価値は少なくなります。

もちろん、お金について専門的・客観的な意見を聞けるという価値はありますが、そこには少なくとも有料相談するまでの価値はありません。

より専門的な資産運用や税制、相続の話がしたい

資産運用や税制、相続などについて、より専門的な相談をしたい場合には、FPではなくそれぞれの領域の専門家に相談するようにしましょう。

資産運用や投資だったら投資アナリスト、税制や納税については税理士、不動産では宅建士や不動産鑑定士、相続では弁護士、公的年金については社会保険労務士に相談すれば、より専門的な相談をすることができます。

とはいえ専門家の資格を持ちながらFPの資格を取得してる方も多く存在しています。

そういった方の場合、

  • 総合的なライフプラン
  • 専門領域の相談

と2つの視野からより相談することが出来るでしょう。

FPに相談する前にまずは自分で家計を見直して家族と相談しよう

この記事では、FPに相談しても意味がないケースについて取り上げた上で、FPに相談すべき状況とFPに相談しなくても良い状況について解説してきました。

FPという仕事は、保険や投資、税制、相続など幅広いお金の知識をもとに、総合的なライフプランを提供出来ることに価値があります。

この価値を最大限に生かすためには、家計簿を作って家計のキャッシュフローや固定費を把握しておく、家族がどのようなライフプランを送りたいのかを話し合っておくことが重要です。

FPに相談する前に、まずは自分で家計を見直して家族と相談することによって、FPと相談する価値を最大限に高められる効果が期待できます。

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