家計簿をつけて家計の経済状況を把握することは、あらゆる資産運用の第一歩となります。
家計簿をつけると、無駄な支出を把握できて節約に繋がり、お金への意識が高まって仕事や投資のモチベーションが高くなるなど多くのメリットがあります。
ただ、家計簿のつけ方を習慣化できるかどうかは自分次第であるため、無理なく楽しい自分なりの家計簿ライフを確立することが重要です。
この記事では、家計簿をつけるメリットや家計簿のつけ方、家計簿の活用方法についてFPが解説していきます。
家計簿をつけるメリットとは
家計簿をつけることのメリットを見ていきましょう。
現在のお金の流れを把握できる
家計簿をつける最大のメリットは、現在の生活におけるお金の流れを把握でき、家計状況を客観的に理解できるようになることです。
人間の記憶は曖昧であるため、使ったと思っていたお金と、実際に使ったお金の間で差が出てくることが少なくありません。
家計簿をつけてみると、「今月はこんなにお金を使っていたなんて分からなかった……」といった体験をすることが少なからずあることでしょう。
家計状況を客観的に把握することによって、節約して支出を削る、貯金や投資に回す、将来の資金計画を立てるといったことができるようになってきます。
無駄な支出を把握することで節約に繋がる
家計簿をつけることによって、家族の生活費について、各項目にどの位のお金が掛かっているのかを客観的に把握することができます。
家計を楽にするため、節約をして支出を削りたいと思っても、そもそも「どの項目に、いくらお金を使っているのか?」を把握しないことには、節約しようがありません。
家計簿をつけることによって、「通信費が多いから格安スマホに変えてみよう」「スマホゲームの課金が多いから、今月はちょっと我慢してみよう」「現金支払いではなくて、ポイントが付くキャッシュレス決済を使うようにしてみよう」といった、具体的な節約行動に繋げることができるようになります。
お金への意識が高まって仕事や投資へのモチベーションが高くなる
家計簿をつけ始めた方々が口を揃えて言うのが、「お金への意識が高まって、仕事や投資のモチベーションが高くなった」ということです。
お金を増やすには、仕事をして収入を増やす、節約して支出を減らす、投資して運用する、という3つの領域があります。
家計簿をつけることそれ自体は、「支出を減らすこと」に繋がる節約習慣であり、仕事や投資に繋がるものではありません。
ただ、家計簿をつけることで、お金への意識が高まることによって、仕事や投資のモチベーションアップに繋がり、結果的に収入が増えたというケースはたくさんあります。
家計簿をより賢くつける方法
家計簿をつける基本は、レシートやクレジットカードの明細などを見て、その内容を家計簿に記録していくというものです。
この地味な作業を継続していくためには、自分なりに楽しく続けるための家計簿習慣を確立することが重要になってきます。
家計簿をより賢くつけるための方法やポイントについていくつか見ていきましょう。
1週間や1ヶ月の決まった日に家計簿をつける習慣を作る
家計簿をつける作業は、毎日行う必要はありません。
むしろ、「家計簿は毎日つけなくてはいけない!」といった脅迫感を持ってしまうと、長続きするものもしません。
例えば、休み前の1週間の終わり金曜日の夜につける、家計の締め日である月の終わりにつけるなど、月や週の決まった日に家計簿をつけるようにすることは習慣化するためのポイントです。
また、家計簿をつける作業自体は、レシートやクレジットカード明細から金額を記入していくだけの簡単な作業であるため、テレビやYoutube、Nextlixを見ながら作業するなど自分なりの楽しい時間にすることも重要です。
家計簿アプリを活用する
近年は、「マネーフォワード」などの無料で使える家計簿アプリが続々と登場しており、家計簿のつけ方にも役に立っています。
クレジットカードの明細や銀行振り込みの内容を一々確認することは面倒な作業ですが、家計簿アプリに登録すればスマホの画面上ですぐに確認することが可能です。
代表的な家計簿アプリ「マネーフォワード」は、利用者数1★400万人を突破した大人気アプリとなっています。
例えば、「クレジットカードは明細確認が不便」「銀行口座の確認はATMに行って記帳してこないと……」など面倒に感じているような場合には、ぜひ家計簿アプリを導入して、その利便性を体感してみましょう。
より本格的にはExcelなどの表計算ソフトを使う
家計簿は、100均などで紙の家計簿を買ってきて、手書きで記入していく方法が最もポピュラーなものです。
より本格的には、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを使えば、計算も全自動となり、必要なら表やグラフを作成することもできます。
ただ、家計簿をつける目的は、家計状況の把握にあるため、必ずしも表計算ソフトまで使う必要はありません。
家計簿の始めの一歩は、自分自身が一番始めやすく続けやすい方法から始めることが重要です。
家計簿のつけ方に慣れてきたら、Excelなどの表計算ソフトを使うことも検討してみるようにしましょう。
家計簿の活用方法
家計簿をつけ続けると、その家計簿データを活用できるようになってきます。
家計簿の活用方法について押さえておきましょう。
支出が多くなっている項目を削れないか考えてみる
家計簿をつけると、支出が多くなっている項目が見えてきます。
例えば、「月々のスマホ代が多い」「趣味代が多くなっている」「外食費は減らした方がよいのでは?」「交際費が掛かり過ぎている」などです。
これらの気になった項目について、支出を削る方法がないか考え、「スマホ代 減らす」などのキーワードで検索して調べることで支出を削れる場合があります。
テクノロジーを活用すると節約できる場合がある
支出が多くなっている項目については、テクノロジーを活用することで支出を大きく節約できる場合があります。
例えば、「格安スマホ(MVNO)に変える」「ネット通販やメルカリを活用するようにする」「ポイントが還元されるキャッシュレス決済を使うようにする」「省エネ家電に変える」「定額のサブスクサービスを使うようにする」などです。
また、省エネ家電などは、初期投資は大きくなるものの、長期で見た場合にはトータルで得になるケースもあります。
FPに相談すると家計簿をつけられるようになる?
FPのお仕事として、家計の相談を受けることも多くなっています。
FP相談では「キャッシュフロー表」や「バランスシート」を作成できる
FPに相談していただくと、「キャッシュフロー表」や「バランスシート」といったライフプランニング資料を作成させていただきます。
キャッシュフロー表とは、現在の収支状況と今後のライフプランをもとに、将来の収支状況を予想し、資産の推移を時系列にした表のことです。
※出典:日本FP協会
キャッシュフロー表で家計状況を把握することによって、お客様に適する資産運用などのアドバイスをできるようになります。
キャッシュフロー表を作成するにあたっては、お客様の家計状況のデータが必要になるため、あらかじめ家計簿をつけて家計状況を把握してもらえれば、より簡単に作成できるようになります。
FPに相談しても家計簿のつけ方を習慣化できるかどうかは自分次第
FPは、あくまで現在の家計状況からのアドバイスや提案ができることに留まります。
FPに相談したとしても、家計簿のつけ方を習慣化できるかどうかは自分次第であるということが実際の所です。
家計簿習慣を継続するためには、より楽しく無理のない家計簿ライフを確立するようにしましょう。
家計簿をつけるのは資産形成の第一歩!まずは簡単なことから始めてみよう
この記事では、家計簿をつけるメリットや家計簿のつけ方、家計簿の活用方法についてFPが解説してきました。
家計簿をつけて家計状況を把握することは、無駄な支出を把握して節約することにも繋がり、貯金や投資などあらゆる資産形成の第一歩となります。
FPに相談される場合には、あらかじめ家計簿をつけて家計状況を把握してもらっていれば、スムーズにライフプランニング相談を進めることができます。
家計簿のつけ方を習慣化するには、家計簿を自分なりに楽しく続けられる仕組みを生活の中に作ることが重要です。
家計簿アプリをインストールしてみるなど、まずは簡単なことから家計簿のつけ方を始めてみてはいかがでしょうか?