教育費や住宅ローン、老後の不安などお金の悩みを相談できるのがFP(ファイナンシャルプランナー)です。
しかし、初めて利用するとなると「何を相談したらいいの?」「相談に必要なものはあるの?」と不安に感じる方も多いでしょう。
相談前に準備すべきものは、人によって異なります。
そこでこの記事では、FPに相談するなら準備しておくべきことについてお伝えします。
お金に関する不安や疑問を確認する
FPに相談するとき、お金に関する知識がなくて不安に感じる方もいます。しかし、相談を受けるときに保険や資産運用の知識は必要ありません。
FPはお金のプロであり、難しい言葉もわかりやすく伝えてくれるからです。
金融商品の情報を集めるよりも、自身のお金に関する不安や疑問を確認しておくことが重要です。事前に聞きたいことを準備しておくことで、具体的なアドバイスが受けられます。例えば次のような疑問を書き出しておくと良いでしょう。
- 「教育費を貯めるにはどうしたらいいの?」
- 「資産運用が気になるけど、何がおすすめ?」
- 「今加入している保険は必要なの?」
FP相談には、「自分だけでなく家族の将来のことも相談したい」という方もみえます。
教育費や老後の資産形成のことなど、あらかじめご家族で話し合っておくと安心です。また、FPに相談できる内容が幅広い分、全分野を網羅したFPは少ないという現状があります。「FPから提案されたけど、他の方法も知りたい」という方は、別のFPの意見も参考になさってください。
簡単に収入と支出の確認をする
FPの相談を受ける前に、収入と支出の確認をしておくことも重要です。
FPは様々な金融の知識から、相談者に合った金融商品の提案やアドバイスをします。しかし、現在の収入と支出のバランスがわからないと、的確なアドバイスが出来ません。
余分な支出はないか、足りない保障はないか、総合的に判断しライフプランを立てます。
家計簿をつけていなくても構いません。給与明細や預金通帳から現在の貯蓄はどれくらいか、毎月どれくらい支払っているかなど、現状を把握できます。
住宅ローンや保険、投資信託などの支出についても確認してみてください。
「生命保険に加入したまま見直していない」「NISAを始めたけど制度がよくわからない」という方もいます。そのような方は、生命保険証券や運用報告書を見ることで、内容を確認できます。書類の内容が複雑でよくわからない場合は、FPへの相談に書類を持参しましょう。
FPに相談するときに持参する書類の準備をする
FPに相談する前に準備しておくものは、人によって異なります。家計の相談なら家計簿や通帳、保険の相談なら保険証券を持っていきます。ここでは、FPに持参する書類である
- 家計簿
- 通帳
- 給与明細
- レシート
- ねんきん定期便
- 保険証券
- 住宅ローンの返済予定表
- 投資信託等の運用状況がわかるもの
について、なぜ必要なのか解説します。
家計簿
家計簿は、収入と支出のバランスを確認するときに必要です。家計簿に細かく書かれていれば、給与や賞与、固定費を把握することができます。
家計簿がない場合は通帳やレシートで構いません。FPとの相談でお金の出入りを確認し、払いすぎているものはないか、利用した方が良い金融商品はないかなど見直しを行います。
通帳
通帳があれば、ある程度の1年間の収入と支出を確認できます。
相談者の中には、「毎年どれくらい貯金できているかわからない」という方が少なくありません。
家計簿をつけていなくても通帳で貯蓄額を確認する方法があります。それは、去年の年末の残高と今年の年末の残高を比較するということです。プラスになっている分が1年間の貯蓄額です。家計のお金管理の相談をするときなど、通帳を持っていくと安心です。
給与明細
給与明細を見れば、受け取る金額だけでなく、社会保険料や税金をいくら払っているかも知ることができます。
給与明細には厚生年金保険料や健康保険料、所得税、住民税など多くの情報が載っています。給与明細から会社の便利な制度を利用できていなかったり、控除を受けられていないという問題点を確認できます。相談に行くときには給与明細を持参しましょう。
明細書(光熱費・携帯代など)
固定費の見直しを相談する場合、光熱費や携帯代の分かる明細書を持参します。
固定費を節約することは難しく、現状のままになっている方が多いです。固定費を見直すことで貯蓄に回せるお金も増えます。FPから的確なアドバイスを受けるために明細書を持っていくことをおすすめします。
ねんきん定期便
現状の年金額の確認をするために、ねんきん定期便を持っていくと安心です。
ねんきん定期便は毎年1回、誕生月に届く年金の記録が書かれたものです。年齢によって記載内容は異なり、50歳以上の方には「年金見込額」が記載されています。
ねんきん定期便は老後の資産形成の相談をするのに役立ちます。また、「年金を受け取る時期の相談や年金額の増やし方について質問したい」という方も、ねんきん定期便をご持参ください。
保険証券
保険証券には、生命保険や火災保険、個人年金保険などたくさんあり、複数枚持っている方が多いです。保険の見直しを相談するときに保険証券を持っていくことで、具体的なアドバイスを受けられます。「保険に加入しているけど内容がわからない」という方は、FPに確認してもらうことで保障内容を把握することができます。また、新たな保険の加入を検討している場合、現在の加入状況を知らないと良い提案ができません。保険の相談には保険証券を持参しましょう。
住宅ローンの返済予定表
「住宅ローンの返済額が多くて心配」「返済プランを見直したい」という不安がある方は、住宅ローンの返済予定表を持参してください。
返済予定表と家計の収入・支出から、FPが相談者に適切な返済計画を提案します。
適切な返済計画を立てるには、年収はどれくらいでいくら支払いに充てられるかを知る必要があります。そのため、通帳や給与明細を一緒に持っていくことで具体的な提案を受けられます。
投資信託等の運用状況がわかるもの
初めて投資信託などの資産運用を利用する場合、仕組みが複雑でわからないことも多いでしょう。相談者の中には「運用報告書を見てもよくわからない」という方もいます。
運用状況やリスクに不安のある方は、「運用状況のわかるもの」を持っていきましょう。
FPが運用状況や相談者に合ったリスク等を確認し、具体的な意見をくれます。一般的に投資信託や株などの金融商品は、一度契約すると10年以上の長い付き合いになります。資産運用を始めるべきか、見直すべきか迷ったら、FPに相談することをおすすめします。
いつまでにどうなっていたいか目標を決める
最後に、いつまでにどうなっていたいか自身の目標を決めます。
目標は「10年後までに1000万円貯める」といった具体的なものでも、「老後は夫婦で幸せに暮らす」といった抽象的なものでも構いません。マイホーム購入はいつにするか、いつまで働くかなどを考えることで、ライフプランを立てられるようになります。
FPは相談者のライフプランを聞き、最適なアドバイスを行います。「まだ若いからFPへの相談は早すぎる」ということはありません。お金の不安を感じたとき、見直しをしたいと思った時が相談のタイミングです。FPに相談する前に自身の目標について考え、理想の未来を実現していきましょう。